14日夜と16日未明に最大震度7を観測した熊本地震は、28日で発生から2週間となる。
27日午後6時現在、死者は49人、安否不明者は1人で、震度1以上の地震が1000回に迫る中、熊本県を中心に、なお約3万7000人が避難所に身を寄せている。避難の長期化に伴い、「震災関連死」とみられる死者も増加。一方、熊本県が同日、2000戸以上の仮設住宅を建設する方針を示すなど、被災者の生活再建への動きも具体化しつつある。
熊本県によると、27日夕方の時点で、被災した住宅は2万7406棟に上り、全壊は2000棟を超えた。これまでは県が確認した数を発表していたが、被災者からの罹災(りさい)証明書の申請が増え、同日から申請数の発表に切り替えた。
熊本県内では27日現在、全45市町村のうち30市町村で計492か所の避難所が開設され、3万6866人が身を寄せている。車中泊など、県が把握できていない人も多いとみられる。
県は27日、避難生活に伴う病気などによる「震災関連死」とみられる人が2人増え、計16人になったと発表した。2人は熊本市の69歳女性と75歳男性。また、車中泊などに伴う肺塞栓(そくせん)症(エコノミークラス症候群)で入院が必要と診断された患者はこれまでに40人に上る。
過酷な避難生活の解消に向け、県や市町村は、避難者受け入れの準備を進めている。県は27日、仮設住宅2100戸分の建設費と、民間賃貸住宅などの「みなし仮設住宅」を2100戸確保するための費用を補正予算に盛り込んだ。益城(ましき)町や南阿蘇村など11市町村が建設を要望しており、益城町は当面2000戸が必要との考えを示した。熊本市などは公営住宅の空き部屋への入居希望者を募っている。
気象庁によると、14日の「前震」以降、震度1以上の地震は、28日午前0時現在、976回に上っている。
地震の規模を示すマグニチュードが3・5以上の地震は27日午後1時半現在、熊本市周辺だけで計215回。同じ期間で比べると、2004年の新潟県中越地震(200回)を上回り、1995年以降に内陸で起きた地震では最多となっている。
九州は27日、各地で雨となった。熊本、大分両県の28日午後6時までの24時間予想雨量は40ミリ程度。同庁は土砂災害への警戒を呼びかけている。