東京が開催を決めた20年夏季五輪招致で、国際オリンピック委員会(IOC)
委員の多くが東京の最終プレゼンを勝因の一つに挙げた。懸念された東京
電力福島第1原発の汚染水漏れ問題に対する安倍晋三首相の明確な説明
も評価された。
最終プレゼンでの質疑応答で汚染水問題について質問したハイベルク委員
(ノルウェー)は「風評が耳に入っており、誰かが聞かなくてはならなかった。
首相は問題をきちんと理解し、答えは的確で、危険がないことが伝わった」と話した。
コーツ理事(オーストラリア)も汚染水問題に対する説明に納得し、「マドリードは
経済危機、イスタンブールには政情不安がある。IOCは安心して開催できる都市を
選んだ」と分析した。
パウンド委員(カナダ)は「東京が1回目の投票で勝つとさえ思っていたから驚きは
ないが、(60票を取った2回目の)大差にはびっくりした」と言う。また、失敗した16年
五輪招致と比較し、「厳しい質問にも明確な英語で返していたし、あれほど感情に
訴えた日本のプレゼンを見るのは初めてだった。勝利に値する」と、前回からの成長
ぶりをたたえた。
次期会長選の有力候補になっているバッハ副会長(ドイツ)は「東京は開催の提案
を実現できることをきちんと示した」と評価した。