雲海に石垣が浮かぶ姿から「天空の城」と呼ばれる兵庫県朝来(あさご)市和田山町の国史跡・竹田城跡で、早朝の雲海目当てに訪れる車や徒歩の登山客が急増し、渋滞や違法駐車が目立つようになったため、市は18日夜から、登山道での車と歩行者の通行禁止措置に乗り出した。
規制は当分の間とし、土日曜日と祝日の前日午後6時から翌日の午前8時まで実施。代わりに麓からシャトルバスを運行する。
通行禁止区間は、登り口から城跡最寄りの駐車場までの1・5キロと、同駐車場から南登山道出口までの1・3キロの山道。
近年、城跡が映画やテレビ番組のロケ地として脚光を浴び、とくに秋、冬は雲海を見ようと車で訪れる客が急増、城跡に近い2か所の駐車場(計70台)が混雑している。
週末や3連休は登山道や麓の城下町で渋滞や違法駐車が深刻化。地元住民らの苦情を受け、朝来署が市に規制を申し入れていた。
このため市は当面、登山道の通行を禁止し、城跡そばの駐車場を閉鎖。代替措置として、麓のJR竹田駅近くの停留所から、午前4時30分~同9時、山腹の観光施設「山城の郷(さと)」まで無料でシャトルバス(27人乗り)2台をピストン運行する。この乗客と、タクシーや旅行会社、宿泊施設のバス利用客に限り、山城の郷から城跡までの徒歩の登山(約50分)を認める。
城跡の観光客は2007年度の2万人から、12年度には23万7600人に急増。13年度は今月14日までに25万7600人が訪れ、前年同期より12万人近く増えている。石垣などの傷みも目立ち、今月から高校生以上300円の観覧料徴収を始めている。