2014年1月27日月曜日

“農薬混入”阿部容疑者「自宅にあった農薬使った」

冷凍食品に農薬が混入された事件で、逮捕された契約社員の男が

「自宅にあった農薬を薄めて使用した」という供述を始めたことが分かりました。

阿部利樹容疑者(49)は27日、太田警察署を後にして前橋地方検察庁へと

身柄を送られました。その際、阿部容疑者はワゴン車の一番後ろに乗せられ

両隣を警察官に挟まれていましたが、前にうなだれるように突っ伏していて、

その表情をうかがうことはできませんでした。

阿部容疑者は、これまでの取り調べに対し、「覚えていない」と容疑を否認

していましたが、捜査関係者への取材で、「自宅にあったマラチオンを含む

溶液を薄めて使用した」と事件への関与をほのめかす供述を始めたことが

新たに分かりました。さらに阿部容疑者の自宅からは、マラチオンを含む液体

の農薬が見つかっていたことも新たに分かり、警察は、周辺の店の防犯カメラ

を解析するなどして、入手先の特定を急いでいます。

また、阿部容疑者が事件前、会社に対して待遇の不満を訴えていたことも

分かりました。阿部容疑者は、同僚らに「こんなに長期間働いているのに、

なんで給料が安くなるんだ」「後から入ってきた人のほうが給料が良い」などと

頻繁に不満を訴えていて、警察は、犯行の動機につながった可能性もあると

みています。

一方で、混入の具体的な方法や場所などについては、「覚えていない」と繰り

返しているということです。

警察は今後、こうした点についても詳しく調べ、事件の全容解明を進めていく

方針です。